TTウイルスの新生児期, 乳幼児期感染

「目的」 近年, 肝炎ウイルスとして注目されているTTVの新生児期・乳幼児期の感染についてレトロスペクティブに検討した. 「対象」 HCV follow upのため福島県内の12医療施設を受診した母児36組(うち母2人は2回分娩)を対象とし, 分娩前または分娩後母血清, 臍帯血または生後1ヶ月, 6ヶ月, 1年, 2年, 3年の児血清を用いた. 「方法」 血清50ulよりスマイテストEX-R&D(ゲノムサイエンス研究所(株))にて, DNAを抽出した後, 岡本らの方法に準じ, N22領域にprimer(NG059, NG061, NG063)を設定したsemi-nested PCRを行...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 2; p. 265
Main Authors 竹内千華子, 大戸斉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.2001
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ISSN0546-1448

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Summary:「目的」 近年, 肝炎ウイルスとして注目されているTTVの新生児期・乳幼児期の感染についてレトロスペクティブに検討した. 「対象」 HCV follow upのため福島県内の12医療施設を受診した母児36組(うち母2人は2回分娩)を対象とし, 分娩前または分娩後母血清, 臍帯血または生後1ヶ月, 6ヶ月, 1年, 2年, 3年の児血清を用いた. 「方法」 血清50ulよりスマイテストEX-R&D(ゲノムサイエンス研究所(株))にて, DNAを抽出した後, 岡本らの方法に準じ, N22領域にprimer(NG059, NG061, NG063)を設定したsemi-nested PCRを行った. 増幅産物の検出は, エチジウムブロマイドを含む2%アガロースゲルで電気泳動後, UV下で271bpのバンドの有無を確認した. 「結果および考察」 TTV-DNA陽性率は, 母35%, 臍帯血/1ヶ月6%, 6ヶ月20%, 1年24%, 2年34%, 3年25%であった. 臍帯血では, 保存中に汚染の可能性が考えられた1例を除き, TTV-DNAは検出されなかった. follow up期間中にTTV-DNA陽性であった児15人のうち5人の母は陰性であったことから, 母児間以外の水平感染が頻繁におきていると推定される.
ISSN:0546-1448