HLA mismatch, ABO minor mismatch donorからCD8陽性T細胞除去後同種骨髄移植を施行した1例
今回, ALL患者に, class I MHC不一致でclass II MHC一致の同胞ドナーより, CD8陽性T細胞除去後, 同種骨髄移植を施行した. 移植後は, 一過性の急性GVHDを認めたのみで生着したので, 考察を加えて報告する. 症例 20歳, 男性, 大学1年生. 主訴:全身倦怠感, 発熱. 既往歴:特記すべきことなし. 家族歴:父親は35歳で心筋梗塞にて死亡した. 現病歴:平成元年3月中旬より, 運動後の全身倦怠感, 発熱が出現した. 5月中旬に近医を受診し, 末梢血検査の結果, 白血病を疑われ, 7月3日に, 精査加療目的で当科入院となった. 経過中, 出血症状は認められなかっ...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 37; no. 1; pp. 120 - 122 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.02.1991
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 今回, ALL患者に, class I MHC不一致でclass II MHC一致の同胞ドナーより, CD8陽性T細胞除去後, 同種骨髄移植を施行した. 移植後は, 一過性の急性GVHDを認めたのみで生着したので, 考察を加えて報告する. 症例 20歳, 男性, 大学1年生. 主訴:全身倦怠感, 発熱. 既往歴:特記すべきことなし. 家族歴:父親は35歳で心筋梗塞にて死亡した. 現病歴:平成元年3月中旬より, 運動後の全身倦怠感, 発熱が出現した. 5月中旬に近医を受診し, 末梢血検査の結果, 白血病を疑われ, 7月3日に, 精査加療目的で当科入院となった. 経過中, 出血症状は認められなかった. 入院時現症:身長176cm, 体重74kg, 脈拍62/分, 体温36.1℃, 血圧138/70mmHg, 左頚部に米粒大の表在リンパ節を数個触知する以外は, 理学的所見に異常を認めなかった. 入院時検査成績:末梢血及び骨髄血に, 白血病細胞を各々80~90%認め, 表面マーカーの検索ではIa, CD10, CD19, CD33が陽性であった. 特殊染色では, PO, PAS, Esterase, SBBとも陰性であった. 生化学検査や血清学検査では著明な異常を認めなかった. |
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ISSN: | 0546-1448 |