ABO Major Mismatch同種骨髄移植における血漿交換の効果

同種骨髄移植は白血病及び再生不良性貧血(再不貧)の治療法として確立されつつあり, 著者らは1974年の本邦での第1例以来治療法としての信頼を高めるべく技術的な改善を重ねている1). DonorとRecipientのABO血型の一致しないもののうちmajor mismatchの症例ではこの不適合赤血球の投与が問題となる. これを解決するためには現在以下の方法がある. 1. 投与骨髄からの赤血球の除去2). これには患者に負担をかけないという長所がある半面, 移植骨髄中の造血幹細胞が充分に回収されないという短所が存在する. 2. 赤血球型抗体の除去. これには抗体のみを除く方法が検討されており,...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 54 - 58
Main Authors 平林憲之, 後藤誠一, 津下圭太郎, 三輪良雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1987
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Summary:同種骨髄移植は白血病及び再生不良性貧血(再不貧)の治療法として確立されつつあり, 著者らは1974年の本邦での第1例以来治療法としての信頼を高めるべく技術的な改善を重ねている1). DonorとRecipientのABO血型の一致しないもののうちmajor mismatchの症例ではこの不適合赤血球の投与が問題となる. これを解決するためには現在以下の方法がある. 1. 投与骨髄からの赤血球の除去2). これには患者に負担をかけないという長所がある半面, 移植骨髄中の造血幹細胞が充分に回収されないという短所が存在する. 2. 赤血球型抗体の除去. これには抗体のみを除く方法が検討されており, 理想的ではあるが症例数も少く, 技術的にも困難な点が存在し, 評価は確立されていない3). 著者らは他の報告と同様に4)5), 血漿交換によってこの型抗体を除去する方法を採り, major mismatchの同種骨髄移植を行っており, その実際と成績について述べる.
ISSN:0546-1448