中国人のHLA抗原系

目的:我々は日中血液事業共同研究のなかで, 第8回日本HLAワークショップ(以下8JWと略す)で公認されたHLA-B座新抗原TS-1が, 中国人に存在するか否かについて調査したので報告する. なお, 中国において赴らは, HLA-B15関連新抗原SH-7を, 上海市中心血站由来血清, 第4回日赤HLAワークショップ標準血清などから解析し報告している. 材料と方法:リンパ球のタイピング用抗血清は主として日本人由来のものを使用し, 日本では得られない抗血清については外国ラボとの血清交換によって得られたものを用いた. これらによってタイピング可能な抗原は, HLA-A座15, B座31, C座9種類...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 31; no. 2; pp. 161 - 163
Main Authors 白木透, 徳永和夫, 赤座達也, 佐治博夫, 荒木千枝子, 徳永栄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.05.1985
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ISSN0546-1448

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Summary:目的:我々は日中血液事業共同研究のなかで, 第8回日本HLAワークショップ(以下8JWと略す)で公認されたHLA-B座新抗原TS-1が, 中国人に存在するか否かについて調査したので報告する. なお, 中国において赴らは, HLA-B15関連新抗原SH-7を, 上海市中心血站由来血清, 第4回日赤HLAワークショップ標準血清などから解析し報告している. 材料と方法:リンパ球のタイピング用抗血清は主として日本人由来のものを使用し, 日本では得られない抗血清については外国ラボとの血清交換によって得られたものを用いた. これらによってタイピング可能な抗原は, HLA-A座15, B座31, C座9種類であった. TS-1抗原の判定には8JWAI-1, 8JWU-5, 8JWU-6, 8JWF-4を含め8種の抗血清を使用した. 同時に, SH-7抗原を判定できる上海市中心血站由来血清2種(R37, 460)も用いた. さらに, 第9回国際HLAワークショップ(以下91Wと略す)提出血清との反応形式の比較を行なった. リンパ球は中国人由来セルとして主に上海市中心血站の職員パネルを使用し, 日本人由来のTS-1パネルセルを対象として用いた. また, TS-1を有すると考えられる中国人家系の調査も行なった. タイピングはリンパ球細胞毒性試験(NIH標準法)により行なった.
ISSN:0546-1448