胡座位の入眠によって両下肢横紋筋融解をきたした片麻痺患者の一例

症例:73歳男性. 既往歴:65歳時に脳梗塞左不全麻痺があり, 独居生活. 現病歴:1998年6月4日胡座にて入眠, 翌日, ヘルパーによって胡座位にてうつ伏せの状態で発見され, 救急車にてY病院救急センターに搬送. 両下肢麻痺, CK15,4501U, およびCr, BUN上昇により, 紋筋融解症/急性腎不全の診断で, 血液透析施行. 6月22日当院腎臓内科に入院, 7月8日リハビリテーション目的にて当科依頼となった. 現症:両下肢, 特に両下腿に重度麻痺, 両下肢表在/深部感覚中等度低下. 両下肢膝蓋腱反射, アキレス腱反射消失. 検査所見:大腿/下腿水平断面MRI像でT2強調にて大腿屈筋...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 1; p. 75
Main Authors 鳴海章人, 森義明, 川手信行, 神宮俊哉, 北川寛直, 水口文, 丸加由紀子, 水間正澄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.1999
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ISSN0034-351X

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Summary:症例:73歳男性. 既往歴:65歳時に脳梗塞左不全麻痺があり, 独居生活. 現病歴:1998年6月4日胡座にて入眠, 翌日, ヘルパーによって胡座位にてうつ伏せの状態で発見され, 救急車にてY病院救急センターに搬送. 両下肢麻痺, CK15,4501U, およびCr, BUN上昇により, 紋筋融解症/急性腎不全の診断で, 血液透析施行. 6月22日当院腎臓内科に入院, 7月8日リハビリテーション目的にて当科依頼となった. 現症:両下肢, 特に両下腿に重度麻痺, 両下肢表在/深部感覚中等度低下. 両下肢膝蓋腱反射, アキレス腱反射消失. 検査所見:大腿/下腿水平断面MRI像でT2強調にて大腿屈筋群, 前頸骨筋の変性, 筋萎縮を認めた. 下肢NCVは誘発されず, 筋電図で神経原性変化を認めた. 横紋筋融解の原因の1つとして, 本症例のような, 長時間の不良姿勢の暴露が考えられ, 体位変換困難患者, 初期異常に気付きづらい痴呆状態や感覚障害患者, 独居者など特に注意を要すると思われ, 報告した.
ISSN:0034-351X