ビタミンD抵抗性骨軟化症に対するリハビリテーションの経験

骨軟化症はさまざまな原因で骨の石灰化障害を引き起こす病態であるが, これに近位筋優位の筋力低下を伴う症例の報告が見られる. 今回我々は成人発症のビタミンD抵抗性骨軟化症を発症し, 著明な筋力低下, 疼痛を伴いADL障害を来たした症例のリハビリテーションを経験したのでこれを報告する. 「症例」48歳, 男性. 「現病歴」1996年2月より腰痛が出現. 保存的治療を行ったが改善せず, 2000年2月頃より近位筋優位の筋力低下が出現. ALPの異常高値が見られ, 代謝性疾患が疑われ, 4月に精査加療目的で当院入院. 「経過」低リン血症, 高リン尿症などから上記診断にいたり, ビタミンDの投与とリハが...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 1; p. 77
Main Authors 山田己津恵, 水落和也, 金田健志, 野々垣学, 根本明宣, 安藤徳彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.2001
Online AccessGet full text
ISSN0034-351X

Cover

More Information
Summary:骨軟化症はさまざまな原因で骨の石灰化障害を引き起こす病態であるが, これに近位筋優位の筋力低下を伴う症例の報告が見られる. 今回我々は成人発症のビタミンD抵抗性骨軟化症を発症し, 著明な筋力低下, 疼痛を伴いADL障害を来たした症例のリハビリテーションを経験したのでこれを報告する. 「症例」48歳, 男性. 「現病歴」1996年2月より腰痛が出現. 保存的治療を行ったが改善せず, 2000年2月頃より近位筋優位の筋力低下が出現. ALPの異常高値が見られ, 代謝性疾患が疑われ, 4月に精査加療目的で当院入院. 「経過」低リン血症, 高リン尿症などから上記診断にいたり, ビタミンDの投与とリハが開始となった. 疼痛, 筋力低下, 基本動作, 歩行に対しそれぞれのリハプログラムを施行し, 入院時起き上がりに介助を要したが, 3ヵ月後, 屋外歩行自立で退院となった. 急速な回復が認められ, 各段階に沿ったリハプログラムの施行が奏効した症例と考えられた.
ISSN:0034-351X