尋常性天疱瘡と胸腺腫の合併した1例
症例は39才,男性.入院時口唇,口腔粘膜に痂皮を伴う高度のびらんが認められ,胸部X線橡, CT上,上縦隔に異常陰影が認められた.入院後間もなく躯幹,四肢にもびらんが出現し,皮膚生検などにより尋常性天疱瘡と診断された.ステロイド療法, plasmapheresisなどを試みたが皮疹は一時的に改善するのみで,肺炎,頻回の気胸による呼吸不全より全身状態は悪化し, DICを合併して死亡した.剖検より上縦隔の異常陰影は混合型良性胸腺腫であった.本症例には重症筋無力症の合併は認められなかった.尋常性天疱瘡と胸腺腫との合併はきわめてまれであり,自己免疫との関連が示唆される....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 77; no. 1; pp. 22 - 25 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.01.1988
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.77.22 |
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Summary: | 症例は39才,男性.入院時口唇,口腔粘膜に痂皮を伴う高度のびらんが認められ,胸部X線橡, CT上,上縦隔に異常陰影が認められた.入院後間もなく躯幹,四肢にもびらんが出現し,皮膚生検などにより尋常性天疱瘡と診断された.ステロイド療法, plasmapheresisなどを試みたが皮疹は一時的に改善するのみで,肺炎,頻回の気胸による呼吸不全より全身状態は悪化し, DICを合併して死亡した.剖検より上縦隔の異常陰影は混合型良性胸腺腫であった.本症例には重症筋無力症の合併は認められなかった.尋常性天疱瘡と胸腺腫との合併はきわめてまれであり,自己免疫との関連が示唆される. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.77.22 |