2次性糖尿病を伴った末端肥大症、Cushing病の手術における人工膵の有用性

インスリンに対するcounter regulatory hormoneの産生過剰に伴う2次性糖尿病症例の手術中、手術後の血糖管理において人工膵の有用性が期待されるが、そのような報告はみられない。われわれは、2次性糖尿病を伴つた末端肥大症(57歳、女性)、Cushing病(34歳、男性)において、手術中、手術後に人工膵を用いて血糖管理を行った。両症例とも術中より48時間以上にわたつて、安定した血糖コントロールが可能であつた。施行中のトラブルは、採血カテーテルの閉塞および静脈圧上昇による一過性かつ軽度の血糖変動が主なもので、容易に対処可能であつた。 手術後の急速なcounter regulator...

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Published in人工臓器 Vol. 17; no. 1; pp. 239 - 241
Main Authors 石原, 雅樹, 宮本, 秀雄, 篠田, 俊雄, 山田, 隆司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1988
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Summary:インスリンに対するcounter regulatory hormoneの産生過剰に伴う2次性糖尿病症例の手術中、手術後の血糖管理において人工膵の有用性が期待されるが、そのような報告はみられない。われわれは、2次性糖尿病を伴つた末端肥大症(57歳、女性)、Cushing病(34歳、男性)において、手術中、手術後に人工膵を用いて血糖管理を行った。両症例とも術中より48時間以上にわたつて、安定した血糖コントロールが可能であつた。施行中のトラブルは、採血カテーテルの閉塞および静脈圧上昇による一過性かつ軽度の血糖変動が主なもので、容易に対処可能であつた。 手術後の急速なcounter regulatory hormoneの低下や、ハイドロコーチゾン投与などの血糖変動因子が大である2次性糖尿病症例の手術中および手術後の血糖管理上、人工膵の使用は有用で安全な方法と考えられる。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.17.239