両心補助人工心臓(BVAS)による心不全回復過程の心筋細胞内Ca2+-ATPase活性の変動

Ca2+代謝と密接に関連し、エネルギー産生利用系に必要とされるCa2+-ATPaseに着目し、クエン酸鉛法を用いてBVAS効果と関連して重症心不全の回復過程に於ける心筋細胞内Ca2+-ATPase活性の変化について実験的に検討した。雑種成犬15頭を用い、体外循環を行い45分間常温下大動脈遮断し、心筋虚血による高度両心不全モデルを作成。この不全心に対してBVASを3時間駆動させ左室心筋生検を行い、心筋細胞内のミトコンドリア、筋小胞体、myofilamentでのCa2+-ATPase活性を透過電顕にて比較検討した。 BVASにて全身の循環維持は可能であった。左心機能はBVAS開始1時間にて有意な回...

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Published in人工臓器 Vol. 21; no. 2; pp. 400 - 404
Main Authors 熊手, 宗隆, 安永, 弘, 大石, 喜六, 小須, 賀健一, 山下, 正康, 桃崎, 雅弘, 麻生, 公, 青柳, 成明, 瀬戸, 島謙三, 原, 洋, 古賀, 正之, 鈴木, 重光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.04.1992
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.21.400

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Summary:Ca2+代謝と密接に関連し、エネルギー産生利用系に必要とされるCa2+-ATPaseに着目し、クエン酸鉛法を用いてBVAS効果と関連して重症心不全の回復過程に於ける心筋細胞内Ca2+-ATPase活性の変化について実験的に検討した。雑種成犬15頭を用い、体外循環を行い45分間常温下大動脈遮断し、心筋虚血による高度両心不全モデルを作成。この不全心に対してBVASを3時間駆動させ左室心筋生検を行い、心筋細胞内のミトコンドリア、筋小胞体、myofilamentでのCa2+-ATPase活性を透過電顕にて比較検討した。 BVASにて全身の循環維持は可能であった。左心機能はBVAS開始1時間にて有意な回復を認めた。不全心群のCa2+-ATPase活性は、筋小胞体、myofilamentでは消失したが、ミトコンドリアでは活性の残っているものも認められた。BVAS 3時間使用による急性期のCa2+-ATPase活性の回復はミトコンドリアが早く、myofilament及び筋小胞体などは遅く、局在による差異が認められた.
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.21.400