肝不全に対する活性炭血液灌流と血漿交換の臨床効果について

肝不全に対してCHPおよびPPHを施行し, 臨床効果を中心に, 生化学的変動, アミノグラムなどの検査を行い比較検討した。T. Bil. は, CHP後は減少する傾向にあるが, PPH後では有意に減少した。NH3, NEFAは特に差はなかった。アミノグラムはCHP後ではBCAA, AAAともに減少する傾向にあった。PPH後ではBCAAは増加する傾向にあったが, AAAは減少する傾向にあった。CHP, PPH後においてともにBCAAは正常範囲内で, AAAは正常の約2~3倍で推移した。MRはCHP, PPH施行後にともに有意に改善したが, 正常の約1/2程度であった。CHP, PPHでは中毒物質...

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Published in人工臓器 Vol. 16; no. 2; pp. 945 - 948
Main Authors 久保田, 和義, 渡辺, 敢仁, 帆刈, 睦男, 太田, 秀男, 中嶋, 真, 石井, 浮一, 千葉, 芳久, 小池, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.04.1987
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.16.945

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Summary:肝不全に対してCHPおよびPPHを施行し, 臨床効果を中心に, 生化学的変動, アミノグラムなどの検査を行い比較検討した。T. Bil. は, CHP後は減少する傾向にあるが, PPH後では有意に減少した。NH3, NEFAは特に差はなかった。アミノグラムはCHP後ではBCAA, AAAともに減少する傾向にあった。PPH後ではBCAAは増加する傾向にあったが, AAAは減少する傾向にあった。CHP, PPH後においてともにBCAAは正常範囲内で, AAAは正常の約2~3倍で推移した。MRはCHP, PPH施行後にともに有意に改善したが, 正常の約1/2程度であった。CHP, PPHでは中毒物質の除去には十分でなく, またMRも改善されるが不十分と考えられた。肝不全の意識の改善にはCHP, PPHのみでは不十分と考えられ, 残存する肝細胞機能が重要であり, 特殊アミノ酸療法, 肝の再生を促すG-I療法などとの併用が必要であると考えられた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.16.945