前下行枝一枝病変の左室機能低下例に及ぼす冠動脈造影の影響 Continuous Cardio Output Monitoring(CCOM)を用いて

当院において平成6年8月から平成7年9月に冠動脈造影を必要とした500例中,前下行枝一枝病変の労作性狭心症30例を対象にcenterline法を用いLVEF(左室駆出率)を算出し,それらを2群(A群;左室機能低下例0.35<EF≦0.59,B群;重症左室機能低下例EF≦0.35)にわけ,肺動脈にCCOM Catheterを挿入・留置し,心拍出量,心拍数,肺動脈圧および体血圧の経時的測定値をもとに冠動脈造影が心機能に及ぼす影響を経時的に比較検討した。A群,B群とも心拍数,肺動脈圧および体血圧には有意な変化は認めなかった。しかし,B群でのみ各冠動脈造影後11%の低下を認め12±2.8秒後に造...

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Published in体外循環技術 Vol. 23; no. 2; pp. 46 - 48
Main Authors 広瀬, 善嗣弘, 鹿野, 直幸, 矢部, 順一, 桜井, 勝, 赤池, 祝昭, 久保田, 充稔, 金子, ゆかり, 久保田, 浩光, 香内, 信明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 25.02.1997
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.23.2_46

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Summary:当院において平成6年8月から平成7年9月に冠動脈造影を必要とした500例中,前下行枝一枝病変の労作性狭心症30例を対象にcenterline法を用いLVEF(左室駆出率)を算出し,それらを2群(A群;左室機能低下例0.35<EF≦0.59,B群;重症左室機能低下例EF≦0.35)にわけ,肺動脈にCCOM Catheterを挿入・留置し,心拍出量,心拍数,肺動脈圧および体血圧の経時的測定値をもとに冠動脈造影が心機能に及ぼす影響を経時的に比較検討した。A群,B群とも心拍数,肺動脈圧および体血圧には有意な変化は認めなかった。しかし,B群でのみ各冠動脈造影後11%の低下を認め12±2.8秒後に造影前値に回復した。以上の結果により冠動脈造影時間は左室機能にほとんど関係無く行われているが,重症左室機能低下例では明らかな心拍出量の低下を認め,real timeの心機能評価が可能であるCCOM systemの有用性が示された。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.23.2_46