高度の気道狭窄を来たした気管癌の1例
症例は47歳の女性. 呼吸困難感を主訴に緊急入院した. 入院時, 聴診所見にて, 強制呼気で喘鳴が聴取され, 気管支喘息との鑑別を要したが, 呼吸機能検査の flow-volume 曲線で, 胸郭内外の固定性狭窄パターンがみられた. 頸部CTと気管支鏡による生検で, 気管癌と診断した. 治療として, 放射線療法化学療法同時併用療法を行い, 良好な反応を得た. 治療後の呼吸機能検査では, flow-volume 曲線は正常のパターンを示した. 日常診療の中で, 難治性の呼吸器症状がみられた場合, 本疾患を鑑別診断のひとつとして積極的に考え, 頸部CT, MRI, 気管支鏡を施行する必要がある....
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 34; no. 6; pp. 710 - 715 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.06.1996
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.34.710 |
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Summary: | 症例は47歳の女性. 呼吸困難感を主訴に緊急入院した. 入院時, 聴診所見にて, 強制呼気で喘鳴が聴取され, 気管支喘息との鑑別を要したが, 呼吸機能検査の flow-volume 曲線で, 胸郭内外の固定性狭窄パターンがみられた. 頸部CTと気管支鏡による生検で, 気管癌と診断した. 治療として, 放射線療法化学療法同時併用療法を行い, 良好な反応を得た. 治療後の呼吸機能検査では, flow-volume 曲線は正常のパターンを示した. 日常診療の中で, 難治性の呼吸器症状がみられた場合, 本疾患を鑑別診断のひとつとして積極的に考え, 頸部CT, MRI, 気管支鏡を施行する必要がある. その際, flow-volume 曲線がスクリーニング検査として有用である. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.34.710 |