慢性関節リウマチに対するsulphasalazine (Salazopyrin®)の長期治療成績:経口金剤(auranofin)との比較

Sulphasalazine (SASP)による慢性関節リウマチの長期的治療成績をauranofin (AF)と比較検討した.短期的(3~6カ月)にはSASP群41例中8例が副作用のため脱落し,残る33例では79%が有効, 21%が無効と判定された. AF群39例では6例が副作用のため脱落し,残る33例のうち58%が有効, 42%が無効であったが両群間の有効率には差を認めなかった.しかし, SASPはAFと比べて疾患活動性,リウマトイド因子などを早期に改善した.さらに,両薬剤の治療継続率をKaplan-Meier法で検討した. AF群よりSASP群では治療開始9~18カ月の区間で有意に継続率は...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 13; no. 6; pp. 612 - 621
Main Authors 市川, 幸延, 清水, 宏明, 高屋, 正敏, 内山, 光昭, 守内, 順子, 有森, 茂
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床免疫学会 31.12.1990
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Summary:Sulphasalazine (SASP)による慢性関節リウマチの長期的治療成績をauranofin (AF)と比較検討した.短期的(3~6カ月)にはSASP群41例中8例が副作用のため脱落し,残る33例では79%が有効, 21%が無効と判定された. AF群39例では6例が副作用のため脱落し,残る33例のうち58%が有効, 42%が無効であったが両群間の有効率には差を認めなかった.しかし, SASPはAFと比べて疾患活動性,リウマトイド因子などを早期に改善した.さらに,両薬剤の治療継続率をKaplan-Meier法で検討した. AF群よりSASP群では治療開始9~18カ月の区間で有意に継続率は高値であったが,その後は両群とも約20%の継続率を示した. AFでは数カ月以後に蛋白尿の出現する症例を認めたのに対し, SASPの副作用は軽症のものが多く,しかも早期に出現した.これらの成績はSASPを遅効性抗リウマチ剤の第1選択薬として用いうる可能性を支持している.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.13.612