Björk-Shiley monostrut valveの臨床経験

Björk-Shiley monostrut valveで大動脈弁を置換し2年以上経過した33例と, sphrical valveで大動脈弁置換した24例の臨床像を比較検討した。sphrical弁使用群では病院死2例を認め, 遠隔死はなく, 術後約4年の生存率は91.7%であった。monostrut弁使用群には病院死・遠隔死共になく, 約4年の生存率は100%であった。またmonostrut弁使用群では, 一例に術後22ケ月に脳血栓塞栓症を生じた。心胸郭比の改善・NYHA機能分類の改善, 及び術後のワーファリン投与量, トロンボテスト値などには有意差を認めなかった。溶血の指標となる血清LDH値...

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Published in人工臓器 Vol. 19; no. 1; pp. 290 - 293
Main Authors 矢田, 雄滋, 望月, 吉彦, 松井, 道彦, 新井, 達太, 森田, 紀代造, 佐々木, 達海, 小柳, 勝司, 古川, 仁, 若林, 研司, 堀越, 茂樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1990
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.19.290

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Summary:Björk-Shiley monostrut valveで大動脈弁を置換し2年以上経過した33例と, sphrical valveで大動脈弁置換した24例の臨床像を比較検討した。sphrical弁使用群では病院死2例を認め, 遠隔死はなく, 術後約4年の生存率は91.7%であった。monostrut弁使用群には病院死・遠隔死共になく, 約4年の生存率は100%であった。またmonostrut弁使用群では, 一例に術後22ケ月に脳血栓塞栓症を生じた。心胸郭比の改善・NYHA機能分類の改善, 及び術後のワーファリン投与量, トロンボテスト値などには有意差を認めなかった。溶血の指標となる血清LDH値は, 術前249.3±52.3IU/Lから術直後は334.5±63.1IU/Lと上昇するが, sphrical弁使用群では269.4±43.1IU/Lと下降するのに反して, monostrut弁使用群では379±54.7, 391.2±93.6と上昇し, 有意な増加を示した。この点を除けばmonostrut弁はsphrical弁と同様に優れた臨床像を示した。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.19.290