二次性副甲状腺機能亢進症 (2°HPT) の発症予防に関する1α(OH)D3至適投与量の臨床的検討

現行の透析条件下透析液カルシウム濃度 ([D]Ca) 3.0-3.5mEq/l, CaCO3使用では, 1α(OH)D3(1αD3) は減量せざるを得ない. 50例の維持透析患者を対象とし, [D]Caと, CaCO3, 1α D3投与条件とで分類した各群で, 血中のCa・骨代謝のparameterの変化をretrospectiveに調べ, 1α D3減量が2°HPT発症に及ぼす影響を検討した. 結果は, 1α D3投与量により, C-PTH抑制のための血清Ca濃度が異なり, 0.75-1.0μg/日投与群では血清Ca値が平均9.6mg/dlで, また, 1α D3投与量が0.5μg/日以下の...

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Published in日本透析療法学会雑誌 Vol. 25; no. 8; pp. 881 - 885
Main Authors 森, 忠三, 海江田, 浩之, 竹内, 正気
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本透析医学会 28.08.1992
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ISSN0911-5889
1884-6211
DOI10.4009/jsdt1985.25.881

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Summary:現行の透析条件下透析液カルシウム濃度 ([D]Ca) 3.0-3.5mEq/l, CaCO3使用では, 1α(OH)D3(1αD3) は減量せざるを得ない. 50例の維持透析患者を対象とし, [D]Caと, CaCO3, 1α D3投与条件とで分類した各群で, 血中のCa・骨代謝のparameterの変化をretrospectiveに調べ, 1α D3減量が2°HPT発症に及ぼす影響を検討した. 結果は, 1α D3投与量により, C-PTH抑制のための血清Ca濃度が異なり, 0.75-1.0μg/日投与群では血清Ca値が平均9.6mg/dlで, また, 1α D3投与量が0.5μg/日以下の群では血清Ca値が平均10.0mg/dlでそれぞれC-PTHが抑制された. 1α D3投与量が少ない場合, 2°HPT予防のためには, 血清Ca値は高く維持することが必要と考えられるが, CaCO3使用例では血清リン (P) 値の増加の認められる例もあり, 異所性石灰化の発症が懸念される. したがって, 通常の血清Caレベルで2°HPTの発症を予防するためには, 1α D3投与量は, 0.75-1.0μg/日が必要と考えられ, そのための透析条件の改善が望まれる.
ISSN:0911-5889
1884-6211
DOI:10.4009/jsdt1985.25.881