レーザー光励起高感度蛍光顕微鏡システムによる生体細胞内カルシウムイオンの濃度分布測定 カルシウムイオン濃度分布の経時変化の検討

生体細胞のさまざまな生理機能の調整やその情報伝達の役割を担うものとして細胞内カルシウムイオンが注目され, これまでにいくつかの濃度測定法が研究開発されている1), 2). その主な方法として微小電極法, 発光タンパク法, 蛍光色素法が挙げられるが, これらの中で, 蛍光測定法は細胞に対しての外乱が極めて少なく, 短時間で濃度分布が測定できると言う長所を有しており, そのため近年いくつかの有望な色素が報告されている3). 前回の論文I4)においては, これらの色素のうちIndo-1を用いたラットの平滑筋細胞内カルシウムイオン濃度分布の測定5)について述べたが, 本論文IIではさらに生体膜のカルシ...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 10; no. 4; pp. 47 - 50
Main Authors 木村正人, 佐藤俊一, 竹内和久, 阿部圭志, 稲場文男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 01.03.1990
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ISSN0288-6200

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Summary:生体細胞のさまざまな生理機能の調整やその情報伝達の役割を担うものとして細胞内カルシウムイオンが注目され, これまでにいくつかの濃度測定法が研究開発されている1), 2). その主な方法として微小電極法, 発光タンパク法, 蛍光色素法が挙げられるが, これらの中で, 蛍光測定法は細胞に対しての外乱が極めて少なく, 短時間で濃度分布が測定できると言う長所を有しており, そのため近年いくつかの有望な色素が報告されている3). 前回の論文I4)においては, これらの色素のうちIndo-1を用いたラットの平滑筋細胞内カルシウムイオン濃度分布の測定5)について述べたが, 本論文IIではさらに生体膜のカルシウムイオノフォアであるイオノマイシン刺激時におけるカルシウムイオン濃度分布の時間的変化の測定を試みたので, その結果について報告する.
ISSN:0288-6200