富士市における有害大気汚染物質濃度の調査結果について (1) 各種有害化学物質の汚染状況, 相関性および大気常時監視局の地域代表性についての検討

1999年8月と12月に富士市内を1kmメッシュに区分することにより, 35地点で芳香族炭化水素, 多環芳香族炭化水素, アルデヒド類, 揮発性有機ハロゲン化合物などの有害大気汚染物質73種の濃度を一斉に調査した。ベンゼンやホルムアルデヒド濃度は主要幹線道路周辺に高濃度な地点があり, これらの物質による汚染と自動車排ガスとの関連が示唆された。多種類の多環芳香族炭化水素が特定の地点で高くなっている傾向がみられ, これらの地点での汚染には発生量の多い特定の発生源からの影響が考えられた。また, クロロホルム, トリクロロエチレン, テトラクロロエチレンなどの有機ハロゲン化合物は, 特定の地点で高い値...

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Published in環境化学 Vol. 11; no. 3; pp. 525 - 537
Main Authors 房家, 正博, 雨谷, 敬史, 大浦, 健, 杉山, 智彦, 杉崎, 充, 松下, 秀鶴
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本環境化学会 21.09.2001
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Summary:1999年8月と12月に富士市内を1kmメッシュに区分することにより, 35地点で芳香族炭化水素, 多環芳香族炭化水素, アルデヒド類, 揮発性有機ハロゲン化合物などの有害大気汚染物質73種の濃度を一斉に調査した。ベンゼンやホルムアルデヒド濃度は主要幹線道路周辺に高濃度な地点があり, これらの物質による汚染と自動車排ガスとの関連が示唆された。多種類の多環芳香族炭化水素が特定の地点で高くなっている傾向がみられ, これらの地点での汚染には発生量の多い特定の発生源からの影響が考えられた。また, クロロホルム, トリクロロエチレン, テトラクロロエチレンなどの有機ハロゲン化合物は, 特定の地点で高い値を示しており, 付近に発生源が存在する可能性が示唆された。さらに, 35地点の濃度変化をもとに, 物質相互の単相関を求めた結果では, 芳香族炭化水素, 多環芳香族炭化水素及びアルデヒド類はそれそれの物質群に属する化合物どうしの相関は高く, 特に冬季に高い相関係数を示した。
ISSN:0917-2408
1882-5818
DOI:10.5985/jec.11.525