層状チタン酸ナトリウム (Na2Ti3O7) の多価イオンによるイオン交換反応

イオン交換可能なホスト化合物である層状チタン酸ナトリウムNa2Ti3O7をNa2CO3とTiO2の固相反応により合成した。得られたNa2Ti3O7の層間Na+を様々なイオン (H+, NH4+, Mg2+, Ni2+, Co2+, Al3+) により交換した。1価のイオンであるH+及びNH4+による交換では, 目的とするH2Ti3O7及び (NH4) 2Ti3O7が容易に合成できた。 一方, Ni2+およびAl3+のイオン交換反応により得られた交換体は, いずれも層間Na+の大部分が交換されていいた (>95%) が, 得られた交換体にはNiおよびAlが存在せず, 交換溶液中に共存するH...

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Published in日本イオン交換学会誌 Vol. 16; no. 1; pp. 10 - 17
Main Authors 池永, 和正, 黒川, 秀樹, 三浦, 弘, 大嶋, 正明, 杉山, 和夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本イオン交換学会 20.01.2005
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ISSN0915-860X
1884-3360
DOI10.5182/jaie.16.10

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Summary:イオン交換可能なホスト化合物である層状チタン酸ナトリウムNa2Ti3O7をNa2CO3とTiO2の固相反応により合成した。得られたNa2Ti3O7の層間Na+を様々なイオン (H+, NH4+, Mg2+, Ni2+, Co2+, Al3+) により交換した。1価のイオンであるH+及びNH4+による交換では, 目的とするH2Ti3O7及び (NH4) 2Ti3O7が容易に合成できた。 一方, Ni2+およびAl3+のイオン交換反応により得られた交換体は, いずれも層間Na+の大部分が交換されていいた (>95%) が, 得られた交換体にはNiおよびAlが存在せず, 交換溶液中に共存するH+が優先的に交換することによってH2Ti3O7が生成していた。調製した多価イオン交換体について, 競争的なH+交換の有無を200℃, 2時間の加熱処理前後のXRDパターン変化から調べた結果, Co2+およびMg2+の交換反応ではH+交換が起こっておらず, 目的とする多価イオン交換体の生成が示唆された。このMg2+交換体は, 酸処理により骨格構造の変化を伴うことなくH+交換体に変わることから, Mg2+はNa+の存在していたサイトに交換したものと考えられる。得られたMg2+およびCo2+交換体は組成分析の結果から, Mg1.0Na0.60Ti3O7およびCo0.63Na0.43Ti3O7と決定された。
ISSN:0915-860X
1884-3360
DOI:10.5182/jaie.16.10