ホタテ貝加工残渣の有効利用に関する研究 ボイルされたホタテ貝中腸腺からのカドミウム除去

ホタテ貝の加工残渣を肥料や飼料等の資源として有効利用を図るため, ボイルした中腸腺中から有害金属のカドミウムイオンを除去する方法について検討を行なった。中腸腺からカドミウムイオンを溶液中に溶出させる酸を選定するため, 12種類の酸溶液 (0.1mol/dm3) で比較した。その結果, カドミウムイオンの溶出効果, 酸の毒性, コストの面からリンゴ酸を選出した。リンゴ酸濃度および水洗処理回数の最適化により, 中腸腺中のカドミウム濃度を0.5mg/kg以下にすることができた。また, 溶出されたカドミウムイオン含有溶液は放射線グラフト重合で合成したイミノ二酢酸型吸着材により0.1mg/dm3以下に低...

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Published in日本イオン交換学会誌 Vol. 15; no. 1; pp. 10 - 15
Main Authors 中居, 久明, 瀬古, 典明, 玉田, 正男, 天間, 毅, 小熊, 正臣
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本イオン交換学会 20.01.2004
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Summary:ホタテ貝の加工残渣を肥料や飼料等の資源として有効利用を図るため, ボイルした中腸腺中から有害金属のカドミウムイオンを除去する方法について検討を行なった。中腸腺からカドミウムイオンを溶液中に溶出させる酸を選定するため, 12種類の酸溶液 (0.1mol/dm3) で比較した。その結果, カドミウムイオンの溶出効果, 酸の毒性, コストの面からリンゴ酸を選出した。リンゴ酸濃度および水洗処理回数の最適化により, 中腸腺中のカドミウム濃度を0.5mg/kg以下にすることができた。また, 溶出されたカドミウムイオン含有溶液は放射線グラフト重合で合成したイミノ二酢酸型吸着材により0.1mg/dm3以下に低減できることを確認した。
ISSN:0915-860X
1884-3360
DOI:10.5182/jaie.15.10