地域活性化政策による地域祭りの利用とその変容 大韓民国江原道春川市の「春川マイム祭り」を事例として

本稿では, 大韓民国江原道春川市で行われている春川マイム祭りを事例として, 新たに創られた祭りによる地域おこしをめぐって, 春川マイム祭りが地域社会に及ぼした影響を経済的側面と社会的側面から考察した. 経済的側面では, これまで祭りに無関心であった春川市は, 春川マイム祭りが中央政府の「文化観光祝祭」に選ばれるなど評価が上がるにつれて, 財政支援の拡大とともに「観光商品化」を目指したが, 地域経済に及んだ影響は大きくないことが明らかとなった. 社会的側面では, 主催団体の活動と春川市の支援によって春川マイム祭りの地域社会への定着が図られ地域住民の認知度は高まったが, 住民が積極的に参加する段階...

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Published in地理学評論 Vol. 81; no. 6; pp. 491 - 505
Main Author 申, 英根
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本地理学会 01.07.2008
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ISSN1347-9555
2185-1727
DOI10.4157/grj.81.491

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Summary:本稿では, 大韓民国江原道春川市で行われている春川マイム祭りを事例として, 新たに創られた祭りによる地域おこしをめぐって, 春川マイム祭りが地域社会に及ぼした影響を経済的側面と社会的側面から考察した. 経済的側面では, これまで祭りに無関心であった春川市は, 春川マイム祭りが中央政府の「文化観光祝祭」に選ばれるなど評価が上がるにつれて, 財政支援の拡大とともに「観光商品化」を目指したが, 地域経済に及んだ影響は大きくないことが明らかとなった. 社会的側面では, 主催団体の活動と春川市の支援によって春川マイム祭りの地域社会への定着が図られ地域住民の認知度は高まったが, 住民が積極的に参加する段階にはまだ至っていないことが明らかになった.
ISSN:1347-9555
2185-1727
DOI:10.4157/grj.81.491