穿孔性虫垂炎における腹腔鏡手術の有用性の検討

当院では, 腹腔鏡下虫垂切除を1996年に開始し, 現在まで195例の症例に対して腹腔鏡下虫垂切除を施行した. 今回, われわれは, 従来法では, 術後疼痛が大きくなり, 手術瘢痕も大きくなると思われる穿孔性虫垂炎における腹腔鏡下手術の優位性を検討するために, 1996年以後に施行した腹腔鏡下手術症例18例と開腹手術症例17例を, 手術時間, 経口開始日, 術後SIRSの持続期間, 術後合併症, 術後在院日数, 保険請求点数などに関して比較した. 腹腔鏡下手術群において創感染率は0%であったのに対し開腹手術群では, 29.4%と有意差をもって腹腔鏡下手術群が低率であり, また術後入院期間では,...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 26; no. 1; pp. 25 - 30
Main Authors 千葉, 憲哉, 猪熊, 孝実, 古川, 正人, 草野, 義輝, 菅, 和男, 南, 恵樹, 西原, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.01.2006
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem1993.26.25

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Summary:当院では, 腹腔鏡下虫垂切除を1996年に開始し, 現在まで195例の症例に対して腹腔鏡下虫垂切除を施行した. 今回, われわれは, 従来法では, 術後疼痛が大きくなり, 手術瘢痕も大きくなると思われる穿孔性虫垂炎における腹腔鏡下手術の優位性を検討するために, 1996年以後に施行した腹腔鏡下手術症例18例と開腹手術症例17例を, 手術時間, 経口開始日, 術後SIRSの持続期間, 術後合併症, 術後在院日数, 保険請求点数などに関して比較した. 腹腔鏡下手術群において創感染率は0%であったのに対し開腹手術群では, 29.4%と有意差をもって腹腔鏡下手術群が低率であり, また術後入院期間では, 腹腔鏡下手術群が15. 3日であったのに対し開腹手術群では24.8日と有意差をもって術後入院期間は短期であった. 入院に関するコストも大差なく, 穿孔性虫垂炎に関する腹腔鏡下手術は有用な手技と考えられる.
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem1993.26.25