直腸・結腸癌患者の食生活の特徴 入院中の患者-対照者の疫学調査から
直腸・結腸癌の発生と食生活との関係を明らかにするため, 北関東の11の病院の男性入院患者を対象に, 若い頃の食品毎の摂取頻度について, 性・年齢・職業をマッチングさせた対照者との面接調査による症例-対照研究を行った.患者群と対照群の食生活の特徴を, オッズ比による比較およびステップワイズ判別分析により検討した.直腸癌群で有意に摂取頻度が大きかったのは小学校時代のパン類, 結婚当時以降のミカンおよび納豆であり, 結腸癌群でのそれは小学校時代のパン類であった.一方直腸癌の対照群では小学校時代のメン類, 結腸癌の対照群では結婚当時の餅と緑茶の摂取頻度が有意に高かった.ステップワイズ判別分析によって直...
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Published in | 北関東医学 Vol. 41; no. 1; pp. 125 - 134 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
北関東医学会
01.01.1991
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Subjects | |
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ISSN | 0023-1908 1883-6135 |
DOI | 10.2974/kmj1951.41.125 |
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Summary: | 直腸・結腸癌の発生と食生活との関係を明らかにするため, 北関東の11の病院の男性入院患者を対象に, 若い頃の食品毎の摂取頻度について, 性・年齢・職業をマッチングさせた対照者との面接調査による症例-対照研究を行った.患者群と対照群の食生活の特徴を, オッズ比による比較およびステップワイズ判別分析により検討した.直腸癌群で有意に摂取頻度が大きかったのは小学校時代のパン類, 結婚当時以降のミカンおよび納豆であり, 結腸癌群でのそれは小学校時代のパン類であった.一方直腸癌の対照群では小学校時代のメン類, 結腸癌の対照群では結婚当時の餅と緑茶の摂取頻度が有意に高かった.ステップワイズ判別分析によって直腸・結腸癌群および対照群の食生活の特徴はより明確になった.総合すると, 結腸癌の発生は, 餅や緑茶をあまりとらないパン食に代表される洋風の食事がより関係していたが, 直腸癌の発生はこのように和洋風食事で割り切れる傾向はみられず, 両癌の発生のリスク因子は異なっていることが強く示唆された. |
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ISSN: | 0023-1908 1883-6135 |
DOI: | 10.2974/kmj1951.41.125 |