小児急性白血病, 悪性リンパ腫男児の化学療法, 睾丸放射線照射後の性腺機能

急性白血病15例, 悪性リンパ腫1例, 計16例の男児に化学療法, 睾丸放射線照射後の性腺機能について検討した.2例は初発時に睾丸浸潤があり, うち1例に睾丸両側に放射線照射を施行した.他の2例は睾丸再発を認め, 睾丸摘出後反対側に放射線照射を施行した.現在全例治療中止後1~9年寛解を続けている.治療中止時に睾丸生検, LHがRH試験を行った.また最近のtestosterone, FSH, LH値, Tanner分類, 睾丸容積などを調べた.化学療法のみの13例は, LH-RH, testosterone, FSH, LH値とも正常であるが, 治療中止時の睾丸生検像では, 8例に精細管内の精祖...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 8; no. 2; pp. 109 - 116
Main Authors 藤波, 彰, 中西, 康詞, 田窪, 良行, 小西, 省三郎, 中川, 喜美子, 迫, 正廣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 30.04.1994
Online AccessGet full text
ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.8.109

Cover

Loading…
More Information
Summary:急性白血病15例, 悪性リンパ腫1例, 計16例の男児に化学療法, 睾丸放射線照射後の性腺機能について検討した.2例は初発時に睾丸浸潤があり, うち1例に睾丸両側に放射線照射を施行した.他の2例は睾丸再発を認め, 睾丸摘出後反対側に放射線照射を施行した.現在全例治療中止後1~9年寛解を続けている.治療中止時に睾丸生検, LHがRH試験を行った.また最近のtestosterone, FSH, LH値, Tanner分類, 睾丸容積などを調べた.化学療法のみの13例は, LH-RH, testosterone, FSH, LH値とも正常であるが, 治療中止時の睾丸生検像では, 8例に精細管内の精祖細胞数の減少が認められた.放射線照射を施行した3例とも性腺機能障害があり, 精細管障害だけでなく, Leydig細胞障害も認められた.今後性成熟について長期間観察する必要がある.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.8.109