同種骨髄移植におけるABO式血液型不適合に対する対策 COBE2991血球処理装置による骨髄造血幹細胞分離

ABO式血液型不適合移植に際し, blood cell processorを用いて, 採取骨髄液より骨髄造血幹細胞を分離し移植を行った.症例は12歳, 男児, AMMoLの再発例である.Major ABO不適合のある13歳の姉から骨髄移植を施行. COBE2991血球処理装置を使用し, 赤血球除去濃縮骨髄幹細胞層を得た.さらにFicoll-Conray液を除去するために骨髄細胞の洗浄を行い患者に輸注した.処理後の骨髄細胞のコロニー形成能は処理前と同等であり十分な量の造血幹細胞が回収されていた.移植後26日で生着を確認し, 移植後約8週後まで患児本人と同じB型のCMV陰性白血球除去洗浄赤血球輸血...

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Published in北関東医学 Vol. 43; no. 1; pp. 89 - 94
Main Authors 外松, 学, 由上, 伸一郎, 井嶋, 裕子, 岡田, 恭典, 黒梅, 恭芳, 設楽, 利二, 渡部, 登志雄, 藤井, 佐司
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 北関東医学会 01.01.1993
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ISSN0023-1908
1883-6135
DOI10.2974/kmj1951.43.89

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Summary:ABO式血液型不適合移植に際し, blood cell processorを用いて, 採取骨髄液より骨髄造血幹細胞を分離し移植を行った.症例は12歳, 男児, AMMoLの再発例である.Major ABO不適合のある13歳の姉から骨髄移植を施行. COBE2991血球処理装置を使用し, 赤血球除去濃縮骨髄幹細胞層を得た.さらにFicoll-Conray液を除去するために骨髄細胞の洗浄を行い患者に輸注した.処理後の骨髄細胞のコロニー形成能は処理前と同等であり十分な量の造血幹細胞が回収されていた.移植後26日で生着を確認し, 移植後約8週後まで患児本人と同じB型のCMV陰性白血球除去洗浄赤血球輸血を行ったが, その後は特に貧血も進行せず経過良好である.循環血液量の少ない小児においては赤血球除去法は血漿交換や免疫吸着法などよりも遙かに安全な方法と思われる.
ISSN:0023-1908
1883-6135
DOI:10.2974/kmj1951.43.89