障害児の口腔衛生管理 オペラント条件付け原理を用いた精神遅滞児のブラッシング指導 (1)

精神遅滞児, 自閉症児, 多動児などの障害児の口腔衛生のために, ブラッシングの自立は, 非常に重要である。 本研究の目的は, 異常行動を持つ精神遅滞児のブラッシング自立に対する訓練システムの効果を評価することであった。ブラッシングの自立の為に, オペラント条件付け原理を応用したブラッシングプログラムを含む訓練システムを作り, 4歳3力月から8歳9力月までの精神遅滞児7名を訓練した。 以下の結果を得た。 (1) 訓練により, 3名の対象児は, ブラッシングの自立化を獲得した。 (2) 全対象児が, ブラッシング自立度を改善させた。 (3) 訓練前, 7名の口腔清掃指数は平均4.1であり, 訓練...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 32; no. 1; pp. 2 - 9
Main Authors 河田, 順子, 高松, 祥子, 前田, 佳子, 武田, 康男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 01.04.1982
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Summary:精神遅滞児, 自閉症児, 多動児などの障害児の口腔衛生のために, ブラッシングの自立は, 非常に重要である。 本研究の目的は, 異常行動を持つ精神遅滞児のブラッシング自立に対する訓練システムの効果を評価することであった。ブラッシングの自立の為に, オペラント条件付け原理を応用したブラッシングプログラムを含む訓練システムを作り, 4歳3力月から8歳9力月までの精神遅滞児7名を訓練した。 以下の結果を得た。 (1) 訓練により, 3名の対象児は, ブラッシングの自立化を獲得した。 (2) 全対象児が, ブラッシング自立度を改善させた。 (3) 訓練前, 7名の口腔清掃指数は平均4.1であり, 訓練後1.4となった。 (4) カリオスタットに関しては, 訓練前6名が〓であったが, 訓練後1名〓, 4名+, 1名-であった。 我々は, 母親を訓練者とし, 家庭での訓練を強調する本システムは, 精神遅滞児のブラッシング自立化に有効な方法であると考える。
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.32.2