3 回の声帯外方牽引術 (Ejnell 法) を要した両側声帯麻痺の1例
今回われわれは Ejnell 法による声帯外方牽引術を 3 度要する経過に至った両側声帯麻痺の1例を経験したので報告した。症例は 68 歳、男性。2002 年 3 月 2 日呼吸困難を主訴に近医受診。両側声帯麻痺にて緊急気管切開術を受けた。その後、左声帯にわずかに可動性を認めたため気切口を閉鎖するも、2004 年 1 月再び呼吸困難が増悪。再気管切開後、1 月 22 日右 Ejnell 法を施行された。しかし、右声帯が正中位に戻ったため、4 月 28 日右披裂軟骨摘出術と右声帯切除術を施行された。以後良好であったが再度呼吸困難増悪したため、2008 年 2 月 27 日当科紹介となった。3 月...
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Published in | 耳鼻と臨床 Vol. 55; no. 5; pp. 216 - 220 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻と臨床会
20.09.2009
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Subjects | |
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ISSN | 0447-7227 2185-1034 |
DOI | 10.11334/jibi.55.216 |
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Summary: | 今回われわれは Ejnell 法による声帯外方牽引術を 3 度要する経過に至った両側声帯麻痺の1例を経験したので報告した。症例は 68 歳、男性。2002 年 3 月 2 日呼吸困難を主訴に近医受診。両側声帯麻痺にて緊急気管切開術を受けた。その後、左声帯にわずかに可動性を認めたため気切口を閉鎖するも、2004 年 1 月再び呼吸困難が増悪。再気管切開後、1 月 22 日右 Ejnell 法を施行された。しかし、右声帯が正中位に戻ったため、4 月 28 日右披裂軟骨摘出術と右声帯切除術を施行された。以後良好であったが再度呼吸困難増悪したため、2008 年 2 月 27 日当科紹介となった。3 月 4 日全麻下に右声帯内筋切除術と右 Ejnell 法を施行した。経過観察していたが 8 月中旬より喉頭の異和感が出現。喉頭内視鏡で前回手術時の牽引糸の断裂が疑われ、10 月 3 日、当科にて気管切開術後、3 回目の右 Ejnell 法を施行した。本例の治療経過に考察を加えて報告した。 |
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ISSN: | 0447-7227 2185-1034 |
DOI: | 10.11334/jibi.55.216 |