膵炎を発症したカルバマゼピンによる薬剤性過敏症症候群 (Drug-induced hypersensitivity syndrome: DIHS) 経過中に急性汎発性発疹性膿疱症を呈した1例

59歳,女性。非定型精神病のためカルバマゼピンが処方され,約1か月後に発熱と皮疹が出現した。当科初診時,38°C台の発熱,全身性に浮腫性の播種性紅斑丘疹型の皮疹がみられ,紅皮症状態を呈し,頸部リンパ節が腫脹し,肝機能障害もみられた。初診の3日目には急性汎発性発疹性膿疱症様状態となった。プレドニゾロン50mg/日の全身投与を開始し,徐々に改善傾向を示した。経過中,軽度の膵炎を発症したが治療の必要はなかった。ヒトヘルペスウイルス6型DNAが,全血中より2期間にわたって検出され,この期間は,血清中のアミラーゼ値とリパーゼ値の上昇期間と一致していた。以上より本例を,経過中に急性汎発性発疹性膿疱症を呈し...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 58; no. 4; pp. 476 - 482
Main Authors 竹之下, 秀雄, 山本, 俊幸, 藤山, 幹子, 橋本, 公二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 30.11.2009
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Summary:59歳,女性。非定型精神病のためカルバマゼピンが処方され,約1か月後に発熱と皮疹が出現した。当科初診時,38°C台の発熱,全身性に浮腫性の播種性紅斑丘疹型の皮疹がみられ,紅皮症状態を呈し,頸部リンパ節が腫脹し,肝機能障害もみられた。初診の3日目には急性汎発性発疹性膿疱症様状態となった。プレドニゾロン50mg/日の全身投与を開始し,徐々に改善傾向を示した。経過中,軽度の膵炎を発症したが治療の必要はなかった。ヒトヘルペスウイルス6型DNAが,全血中より2期間にわたって検出され,この期間は,血清中のアミラーゼ値とリパーゼ値の上昇期間と一致していた。以上より本例を,経過中に急性汎発性発疹性膿疱症を呈し,膵炎を発症したカルバマゼピンによる薬剤性過敏症症候群と診断した。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.58.476