自己多血小板血漿 (PRP) が奏効した肺線維症合併難治性気胸の一例

症例は 70 歳男性.肺線維症の治療中に発症した気胸で気漏が 8 週間以上続いていたため,当科に紹介.局所麻酔下に胸腔鏡下治療をしたが,気漏は停止しなかったため,自己多血小板血漿 (PRP) を胸腔ドレーンを介して注入したところ,気漏の停止が得られ,抜管することができた.この,PRP には創傷治癒を促進する成長因子が多く含まれていることから,組織修復が促進し気漏が停止したと考えられる.難治性気胸に PRP を使用することは,癒着による治療ではない新しい気胸の治療法となり得る可能性がある....

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Published in日大医学雑誌 Vol. 67; no. 3; pp. 186 - 189
Main Authors 諸岡, 宏明, 古市, 基彦, 四万村, 三惠, 田中, 博, 竹下, 伸二, 大森, 一光, 小林, 寿美子, 根岸, 七雄, 村松, 高, 石本, 真一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.06.2008
Subjects
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.67.186

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Summary:症例は 70 歳男性.肺線維症の治療中に発症した気胸で気漏が 8 週間以上続いていたため,当科に紹介.局所麻酔下に胸腔鏡下治療をしたが,気漏は停止しなかったため,自己多血小板血漿 (PRP) を胸腔ドレーンを介して注入したところ,気漏の停止が得られ,抜管することができた.この,PRP には創傷治癒を促進する成長因子が多く含まれていることから,組織修復が促進し気漏が停止したと考えられる.難治性気胸に PRP を使用することは,癒着による治療ではない新しい気胸の治療法となり得る可能性がある.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.67.186