急性期脳梗塞患者におけるアルガトロバン投与中の症状悪化と投与方法の関連性についての検討

「緒言」 脳血管疾患の1年間の死亡数は10万8165人で, 悪性新生物, 心疾患(高血圧を除く)につぐ国内全死因の第3位を占めており, その約55%が脳梗塞/transient ischemic attack(TIA)で占めている. 特に, 日本脳卒中データバンク報告書2019年によると脳梗塞/TAIの増加が顕著となっている. また, 「国民生活基礎調査」の介護が必要となった主な原因は, 男性においては脳血管疾患が25.7%と最も多く, 社会的, 経済的に国民全体に大きな影響を及ぼす疾患である. 現在, 日本脳卒中学会と日本循環器学会の連携の下, 健康長寿を達成するために「脳卒中と循環器病克服...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 140; no. 11; pp. 1373 - 1380
Main Authors 須永, 登美子, 東野, 真弓, 木村, 綾沙, 馬場, 康彦, 谷岡, 利裕, 渡邊, 徹, 佐々木, 忠徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.11.2020
日本薬学会
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Summary:「緒言」 脳血管疾患の1年間の死亡数は10万8165人で, 悪性新生物, 心疾患(高血圧を除く)につぐ国内全死因の第3位を占めており, その約55%が脳梗塞/transient ischemic attack(TIA)で占めている. 特に, 日本脳卒中データバンク報告書2019年によると脳梗塞/TAIの増加が顕著となっている. また, 「国民生活基礎調査」の介護が必要となった主な原因は, 男性においては脳血管疾患が25.7%と最も多く, 社会的, 経済的に国民全体に大きな影響を及ぼす疾患である. 現在, 日本脳卒中学会と日本循環器学会の連携の下, 健康長寿を達成するために「脳卒中と循環器病克服5か年計画」が2016年に公開され, 国として取り組んでいる問題である. 急性期脳梗塞における薬物療法はその脳梗塞病態や発症時間によって, 脳保護薬, 抗血小板薬, 抗凝固薬, 抗脳浮腫薬等が使い分けられる. 抗血栓療法としては, 抗血小板薬のオザグレルナトリウム, アスピリン, 抗凝固薬のアルガトロバン, ヘパリンが一般的に使用される.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.20-00090