シート状危険ドラッグ製品中のLSD誘導体の同定と分析の検討
「緒言」われわれは, 危険ドラッグ製品の流通実態調査を継続的に行っており, これまでに200種類以上の化合物を危険ドラッグ成分として同定している. 2019年9月時点で, 2372化合物+2植物が指定薬物として指定され, また指定薬物から54化合物が麻薬へと指定されている. しかし, 依然として新たな化合物が危険ドラッグ成分として検出されている. 危険ドラッグに含まれる化合物を指定薬物として規制すると, その規制化合物の構造を一部変えた別の化合物が規制を逃れて新しく危険ドラッグ市場に出現する. このうち世界的にlysergic acid diethylamide(LSD)の1位又は6位のNに置...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 140; no. 5; pp. 739 - 750 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.05.2020
日本薬学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.19-00230 |
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Summary: | 「緒言」われわれは, 危険ドラッグ製品の流通実態調査を継続的に行っており, これまでに200種類以上の化合物を危険ドラッグ成分として同定している. 2019年9月時点で, 2372化合物+2植物が指定薬物として指定され, また指定薬物から54化合物が麻薬へと指定されている. しかし, 依然として新たな化合物が危険ドラッグ成分として検出されている. 危険ドラッグに含まれる化合物を指定薬物として規制すると, その規制化合物の構造を一部変えた別の化合物が規制を逃れて新しく危険ドラッグ市場に出現する. このうち世界的にlysergic acid diethylamide(LSD)の1位又は6位のNに置換基を導入したLSD誘導体を成分とする危険ドラッグ製品が検出されている. LSDは1938年にHoffmanらによって麦角アルカロイドより合成された幻覚剤であり, わが国では麻薬に指定されている. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.19-00230 |