入院時の持参薬を対象とした直接作用型経口抗凝固薬の使用実態調査

「緒言」現在, わが国の臨床現場において直接作用型経口抗凝固薬 (direct oral anticoagulants ; DOAC) はトロンビン阻害薬のダビガトラン, Xa阻害薬のリバーロキサバン, アピキサバン, エドキサバンが使用されている. これらの薬剤は, いずれもワルファリンカリウムとの比較が海外で行われており, ワルファリンカリウムに対して脳梗塞の再発率が, 同等又は有意に低下したと報告されている. 日本においても有効性・安全性についてワルファリンカリウムに劣らないという報告がある. また, DOACはワルファリンカリウムと比較して薬効の個人差・食物や併用薬との相互作用が少なく...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 141; no. 8; pp. 1009 - 1013
Main Authors 福浦, 啓史, 木村, 匡男, 福本, 紗与, 青, 孝明, 佐々木, 暢琢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.08.2021
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.21-00057

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Summary:「緒言」現在, わが国の臨床現場において直接作用型経口抗凝固薬 (direct oral anticoagulants ; DOAC) はトロンビン阻害薬のダビガトラン, Xa阻害薬のリバーロキサバン, アピキサバン, エドキサバンが使用されている. これらの薬剤は, いずれもワルファリンカリウムとの比較が海外で行われており, ワルファリンカリウムに対して脳梗塞の再発率が, 同等又は有意に低下したと報告されている. 日本においても有効性・安全性についてワルファリンカリウムに劣らないという報告がある. また, DOACはワルファリンカリウムと比較して薬効の個人差・食物や併用薬との相互作用が少なく, 固定用量で安定した効果が得られる利点もある. このことから, DOACはワルファリンカリウムに代わる薬剤として期待されており, 臨床現場で使用される症例が増加している. DOACは, 固定用量で使用可能であるが, 各薬剤の添付文書において年齢, 身長, 体重や併用薬など減量基準が定められている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.21-00057