聴覚障がいをもつ薬学生に対する実務実習事前実習の構築と当該学生の意識調査

「緒言」わが国の聴覚障がい学生支援の背景には, 文部省が「昭和49年度大学入学者選抜実施要綱」に初めて身体障がい者の受験機会の確保に関する一文を掲載し, 障害の種類・程度により配慮する具体例を明示したことに始まり, 1975年, 日本学術会議の勧告「社会福祉の研究・教育体制等について」の中で身体障がい者の大学受け入れに関する対策を講じるよう指摘がなされた. こうした動きを受け, 各大学で障がい者における教育環境が整備されつつあった. 奥羽大学薬学部(以下, 本学)においても聴覚に障がいをもつ学生(以下, 当該学生)が就学した. 6年制薬学教育カリキュラムでは, 臨床に係る実践的な能力を培うこと...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 141; no. 9; pp. 1117 - 1121
Main Authors 大原, 宏司, 早坂, 正孝, 眞島, 崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.09.2021
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.20-00257

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Summary:「緒言」わが国の聴覚障がい学生支援の背景には, 文部省が「昭和49年度大学入学者選抜実施要綱」に初めて身体障がい者の受験機会の確保に関する一文を掲載し, 障害の種類・程度により配慮する具体例を明示したことに始まり, 1975年, 日本学術会議の勧告「社会福祉の研究・教育体制等について」の中で身体障がい者の大学受け入れに関する対策を講じるよう指摘がなされた. こうした動きを受け, 各大学で障がい者における教育環境が整備されつつあった. 奥羽大学薬学部(以下, 本学)においても聴覚に障がいをもつ学生(以下, 当該学生)が就学した. 6年制薬学教育カリキュラムでは, 臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的と掲げており, 5年次生において実臨床での実務実習が義務化されているが, 薬学生の質的保証は技能・態度を評価する客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination;OSCE)の合格水準に達することが必須となる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.20-00257