ゲノム医療におけるデータサイエンティストの役割と育成
「1. はじめに」ゲノム医療の担い手として, 看護師, 臨床検査技師, 薬剤師を主な対象とした「ゲノム医療従事者」の育成による統合的なゲノム医療体制の整備が喫緊の課題となっている. とりわけ次世代シークエンサーを用いた遺伝子パネル検査とそのデータ解析はゲノム医療の根幹であるにもかかわらず, その担い手が極端に不足している. しかしながら, データサイエンテイストの雇用が困難な状況においては, 基本的なデータ解析の流れを理解するとともに, 解析結果の解釈ができるメディカルスタッフの育成が, 現実的な対応として求められている. 本シンポジウムでは, 遺伝子パネル検査の流れと結果を紹介するとともに,...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 140; no. 5; pp. 657 - 661 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.05.2020
日本薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.19-00217-2 |
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Summary: | 「1. はじめに」ゲノム医療の担い手として, 看護師, 臨床検査技師, 薬剤師を主な対象とした「ゲノム医療従事者」の育成による統合的なゲノム医療体制の整備が喫緊の課題となっている. とりわけ次世代シークエンサーを用いた遺伝子パネル検査とそのデータ解析はゲノム医療の根幹であるにもかかわらず, その担い手が極端に不足している. しかしながら, データサイエンテイストの雇用が困難な状況においては, 基本的なデータ解析の流れを理解するとともに, 解析結果の解釈ができるメディカルスタッフの育成が, 現実的な対応として求められている. 本シンポジウムでは, 遺伝子パネル検査の流れと結果を紹介するとともに, 「遺伝子変異量(tumor mutation burden;TMB)」の概念についても解説を行う. 「2. ヒトゲノムのサイズとエクソン領域」ヒトゲノムのサイズは約30億塩基であり, giga base(Gb=1000000000base=10億塩基)の単位を用いると, 3Gbと表すことができる. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.19-00217-2 |