冒険教育プログラムを導入した長期キャンプにおける不登校生徒の身体性回復のプロセス

「I はじめに」 現代の青少年をとりまく様々な問題の1つに不登校がある. 文部科学省(2017)の調査によると, 平成27年度の不登校児童生徒数は125,991人と, ピークとなった平成13年度(138,722人)より依然として高い傾向が続いている. またその割合は, 小学校で237人に1人, 中学校で35人に1人と中学校年代に多いことがわかる. このような青少年の特徴として, 未熟な対人関係, 低い自尊感情, 不得手な感情表現などが挙げられる(森田ほか, 2005). そして背景には, インターネットやゲームなど日常生活がヴァーチャル化して青少年期に必要な体験活動の機会が奪われていること等が...

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Published inTaiikugaku kenkyu Vol. 63; no. 2; pp. 811 - 826
Main Authors 坂本, 昭裕, 𠮷松, 梓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 一般社団法人 日本体育学会 10.12.2018
日本体育学会
Japan Science and Technology Agency
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.17076

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Summary:「I はじめに」 現代の青少年をとりまく様々な問題の1つに不登校がある. 文部科学省(2017)の調査によると, 平成27年度の不登校児童生徒数は125,991人と, ピークとなった平成13年度(138,722人)より依然として高い傾向が続いている. またその割合は, 小学校で237人に1人, 中学校で35人に1人と中学校年代に多いことがわかる. このような青少年の特徴として, 未熟な対人関係, 低い自尊感情, 不得手な感情表現などが挙げられる(森田ほか, 2005). そして背景には, インターネットやゲームなど日常生活がヴァーチャル化して青少年期に必要な体験活動の機会が奪われていること等が指摘され, その対応策としてスポーツや自然体験活動への期待が寄せられている(文部科学省中央教育審議会, 2013). つまり, 誰かと直接会ってやり取りをする体験, 遊びやスポーツの中で危険や痛みなどの感覚を獲得する体験など, 子どもの成長過程における身体に根ざした体験が必要とされていると考える.
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SourceType-Scholarly Journals-1
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ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.17076