銃器を用いたシカの捕獲への赤外線サーモグラフィーの適用

銃器を用いて森林内のニホンジカ(Cervus nippon,以下シカとする)を捕獲する場合,速やかにシカを発見することが重要となる.本報告では,捕獲の際にシカを効率的に発見する方法として,赤外線サーモグラフィーを適用した事例を報告する.周囲環境の温度が低い早朝に赤外線サーモグラフィーでシカを見ると,明らかに周囲より高い温度を示し,シカの検知が可能であった.赤外線サーモグラフィーを使用した場合は,使用しない場合に比べてシカの発見率が約4倍高かった.また,赤外線サーモグラフィーを使用した場合の方が1群れ当たりの発見頭数が大きい傾向があった.立木や枝葉等の遮蔽物の後方にいるシカでも,身体の一部が露出...

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Published inHonyūrui kagaku Vol. 57; no. 1; pp. 77 - 83
Main Authors 松浦, 友紀子, 池田, 敬, 東谷, 宗光, 高橋, 裕史, 伊吾田, 宏正, 浦田, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Kyoto 日本哺乳類学会 01.01.2017
Japan Science and Technology Agency
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Summary:銃器を用いて森林内のニホンジカ(Cervus nippon,以下シカとする)を捕獲する場合,速やかにシカを発見することが重要となる.本報告では,捕獲の際にシカを効率的に発見する方法として,赤外線サーモグラフィーを適用した事例を報告する.周囲環境の温度が低い早朝に赤外線サーモグラフィーでシカを見ると,明らかに周囲より高い温度を示し,シカの検知が可能であった.赤外線サーモグラフィーを使用した場合は,使用しない場合に比べてシカの発見率が約4倍高かった.また,赤外線サーモグラフィーを使用した場合の方が1群れ当たりの発見頭数が大きい傾向があった.立木や枝葉等の遮蔽物の後方にいるシカでも,身体の一部が露出していれば検知が可能なため,群れ内のシカの見落とし率が低くなり,より正確な群れサイズの把握に役立つと考えられた.さらに,狙撃後に倒れた個体の発見にも役立つため,捕獲における回収作業の効率化にもつながるだろう.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.57.77