ホルマリン固定気管支組織標本に対するFISH法にて肺MALTリンパ腫と診断し得た1例
背景.肺MALT (mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫は比較的稀な疾患である.その診断は生検組織の病理学的所見に基づくが,気管支鏡下肺生検で得られる組織が小さく,反応性リンパ球浸潤との鑑別が困難なことも少なくない.症例.64歳の女性が,1996年に健康診断の胸部X線写真にて右上肺野に浸潤影を認めたため,当院を紹介された.2005年に気管支鏡下に右上葉入口部の気管支粘膜生検を行い,病理所見からは肺MALTリンパ腫が疑われたが,確定診断に至らなかった.2009年に,2005年に得たホルマリン固定気管支粘膜組織を,新しい標本処理方法を用いFISH法でMALT...
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Published in | 気管支学 Vol. 34; no. 1; pp. 26 - 32 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
01.01.2012
日本呼吸器内視鏡学会 |
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Summary: | 背景.肺MALT (mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫は比較的稀な疾患である.その診断は生検組織の病理学的所見に基づくが,気管支鏡下肺生検で得られる組織が小さく,反応性リンパ球浸潤との鑑別が困難なことも少なくない.症例.64歳の女性が,1996年に健康診断の胸部X線写真にて右上肺野に浸潤影を認めたため,当院を紹介された.2005年に気管支鏡下に右上葉入口部の気管支粘膜生検を行い,病理所見からは肺MALTリンパ腫が疑われたが,確定診断に至らなかった.2009年に,2005年に得たホルマリン固定気管支粘膜組織を,新しい標本処理方法を用いFISH法でMALTリンパ腫に特異的なAPI2-MALT1キメラ遺伝子の検出を試みたところ陽性であり,肺MALTリンパ腫の診断に至った.結論. FISH法によるAPI2-MALT1キメラ遺伝子検出は,新しい標本処理方法により,ホルマリン固定組織標本での検出も可能である.この方法では,レトロスペクティブな検討が可能であり,有用であると考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.34.1_26 |