動脈硬化抑制に関与するレチノイド関連オーファン受容体の標的遺伝子群の探索

「1. はじめに」ステロイドホルモンや脂肪酸などの脂溶性シグナル伝達分子は, 細胞質又は核内受容体を介して標的遺伝子の発現を転写レベルで制御する. 1980年代, これらシグナル伝達分子の生理作用において中心的役割を担う核内受容体として, ステロイドホルモンであるエストロゲンやグルココルチコイド受容体がクローニングされ, 続けてプロゲステロン, ミネラルコルチコイド, 甲状腺ホルモン, ビタミンD受容体がクローニングされた. その後, それらの高い相同性を示すDNA結合領域のアミノ酸残基に対応するDNAプローブを用いたスクリーニングにより, レチノイド関連オーファン受容体α(retinoid-...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 143; no. 1; pp. 27 - 36
Main Author 松岡, 浩史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.01.2023
日本薬学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.22-00144

Cover

Loading…
More Information
Summary:「1. はじめに」ステロイドホルモンや脂肪酸などの脂溶性シグナル伝達分子は, 細胞質又は核内受容体を介して標的遺伝子の発現を転写レベルで制御する. 1980年代, これらシグナル伝達分子の生理作用において中心的役割を担う核内受容体として, ステロイドホルモンであるエストロゲンやグルココルチコイド受容体がクローニングされ, 続けてプロゲステロン, ミネラルコルチコイド, 甲状腺ホルモン, ビタミンD受容体がクローニングされた. その後, それらの高い相同性を示すDNA結合領域のアミノ酸残基に対応するDNAプローブを用いたスクリーニングにより, レチノイド関連オーファン受容体α(retinoid- 又はretinoic acid receptor-related orphan receptor alpha: RORα)などのリガンド不明なオーファン受容体が同定された. また, 疾患に関連する核内受容体はリガンドにより調節可能であることから, 創薬分野への応用が期待されている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.22-00144