パーキンソン病の進行抑制を目指した神経保護代替医療アプローチ
「1. はじめに」補完代替医療は近年新たに注目されている医学分野であり, 西洋医学以外の手法を用いた, 科学的未検証若しくは医療現場での応用の可否が明らかにされていない医療を意味する. 例えば, サプリメント, 健康補助食品, ハーブ, 鍼灸, 指圧, 漢方, アロマテラピー, 運動療法などを指し, これらはすべて補完代替医療に属する材料, 手法である. これまで, 補完代替医療が応用されている疾患領域は, 生活習慣病の予防を目的とした慢性疾患及びがんなどの難治性疾患が中心であった. 一方, 中枢神経疾患領域において, 補完代替医療の有効性を評価する研究はあまり例がなく, 近年一部の補完代替医...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 133; no. 8; pp. 849 - 856 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.08.2013
日本薬学会 |
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Summary: | 「1. はじめに」補完代替医療は近年新たに注目されている医学分野であり, 西洋医学以外の手法を用いた, 科学的未検証若しくは医療現場での応用の可否が明らかにされていない医療を意味する. 例えば, サプリメント, 健康補助食品, ハーブ, 鍼灸, 指圧, 漢方, アロマテラピー, 運動療法などを指し, これらはすべて補完代替医療に属する材料, 手法である. これまで, 補完代替医療が応用されている疾患領域は, 生活習慣病の予防を目的とした慢性疾患及びがんなどの難治性疾患が中心であった. 一方, 中枢神経疾患領域において, 補完代替医療の有効性を評価する研究はあまり例がなく, 近年一部の補完代替医療素材が慢性進行性の神経変性疾患に対して, 障害神経を保護することにより病勢の進行を抑制する可能性が示唆されてきた. パーキンソン病は退行性神経変性疾患の1つであり, 臨床的には安静時振戦, 筋固縮, 動作緩慢, 姿勢反射障害などの運動機能障害を呈し, 病理学的には黒質-線条体ドパミン神経細胞の変性脱落及び残存神経細胞におけるLewy小体の出現が認められる. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.13-00158 |