インプラント治療の料金設定に関する検討

患者の負担を減らすためには, インプラント治療料金は低い方が良い. しかしながら, 低すぎる料金設定は経営を圧迫し, 費用の不適切な節約につながる可能性がある. そこで適切な料金の設定について, 経済分析を行った. 当病院における標準的なインプラント治療 (1~4本埋入) に関して, 費用 (人件費, 消耗品, 減価償却, 光熱費, 再製時保証積み立て, 訴訟対策積み立て) と患者に請求する料金 (検査・診断, 埋入手術, 上部構造, 予後管理) のバランスを2種類のインプラントシステム (NシステムとIシステム) について計算した. 1歯欠損では, Nシステムの場合, 総費用は48万円であり...

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Published inDental Medicine Research Vol. 31; no. 3; pp. 232 - 236
Main Authors 佐藤, 裕二, 原, 聰, 内田, 圭一郎, 北川, 昇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 2011
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ISSN1882-0719
2186-540X
DOI10.7881/dentalmedres.31.232

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Summary:患者の負担を減らすためには, インプラント治療料金は低い方が良い. しかしながら, 低すぎる料金設定は経営を圧迫し, 費用の不適切な節約につながる可能性がある. そこで適切な料金の設定について, 経済分析を行った. 当病院における標準的なインプラント治療 (1~4本埋入) に関して, 費用 (人件費, 消耗品, 減価償却, 光熱費, 再製時保証積み立て, 訴訟対策積み立て) と患者に請求する料金 (検査・診断, 埋入手術, 上部構造, 予後管理) のバランスを2種類のインプラントシステム (NシステムとIシステム) について計算した. 1歯欠損では, Nシステムの場合, 総費用は48万円であり, 総料金は41万でありマイナスとなった. Iシステムでも, 総費用は40万円であり, 総料金は32万でありマイナスとなった. いずれのシステムでも, 1本だけの場合はマイナスであり, 2本でやや料金が上回り, 3本以上では, 大きなプラスとなった. 診断料などの他は, 埋入手術も上部構造もインプラント本数に比例する料金体系では, 少数本のインプラント治療はマイナスであり, 逆に, 多数本では患者負担が大きすぎることが示唆された.
ISSN:1882-0719
2186-540X
DOI:10.7881/dentalmedres.31.232