長野県におけるMobile ICUの必要性
「はじめに」長野県は広い面積を有し, 中規模集落が多数分散している1)2). しかし, 医師数は少なく, 都市部に偏在している3). 医師不足の中で町村地域に大病院を建てることは困難である. 本格的な患者搬送手段があれば, 心不全や呼吸不全などの重症例を町村地域から都市部にある大病院に搬送することができる. 重症患者搬送中のリスク管理は, 1970年頃から国際誌で話題になり4), 2000年頃には「全身管理を習熟しているスタッフにより, 十分な資機材が常設している搬送車輌で, 全身状態の安定化を図りながら高次医療機関へ搬送する」ことが救命率向上に繋がるとの概念が生れた. そして, 上記機能を有...
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Published in | 信州医学雑誌 Vol. 61; no. 5; pp. 273 - 281 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
信州医学会
10.10.2013
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Subjects | |
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ISSN | 0037-3826 1884-6580 |
DOI | 10.11441/shinshumedj.61.273 |
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Summary: | 「はじめに」長野県は広い面積を有し, 中規模集落が多数分散している1)2). しかし, 医師数は少なく, 都市部に偏在している3). 医師不足の中で町村地域に大病院を建てることは困難である. 本格的な患者搬送手段があれば, 心不全や呼吸不全などの重症例を町村地域から都市部にある大病院に搬送することができる. 重症患者搬送中のリスク管理は, 1970年頃から国際誌で話題になり4), 2000年頃には「全身管理を習熟しているスタッフにより, 十分な資機材が常設している搬送車輌で, 全身状態の安定化を図りながら高次医療機関へ搬送する」ことが救命率向上に繋がるとの概念が生れた. そして, 上記機能を有する救急搬送手段をMobile ICU(intensive care unit)と呼んでいる5). 本邦では, 沖縄サミットや北海道洞爺湖サミットでMobile ICUを待機させ要人に対する救急医療体制を構築した6)7). |
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ISSN: | 0037-3826 1884-6580 |
DOI: | 10.11441/shinshumedj.61.273 |