健康食品に対する知識および認識の実態調査

【目的】我が国の健康食品について,医療従事者を含む消費者が持つ知識・認識等について調査し,表示認識およびニーズの実態を明らかにすることを目的とした。【方法】2015年1月~8月に一般消費者,薬剤師,管理栄養士,助産師を対象(合計有効回答数:1,502名)に,健康食品に対するイメージ,知識・認識等に関する無記名自記式質問紙調査を実施し,集団間の違いについて包括検定および対比較(χ2 検定,steel-dwass法)により検討した。本調査における健康食品とは,「健康の維持向上を目的としたすべての食品」と定義した。【結果】健康食品の知識は,一般消費者よりも医療従事者の正答率が高い傾向を示し,一般消費...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in栄養学雑誌 Vol. 76; no. 5; pp. 109 - 120
Main Authors 山田, 沙奈恵, 沼尻, 幸彦, 山王丸, 靖子, 和田, 政裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.10.2018
日本栄養改善学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.76.109

Cover

More Information
Summary:【目的】我が国の健康食品について,医療従事者を含む消費者が持つ知識・認識等について調査し,表示認識およびニーズの実態を明らかにすることを目的とした。【方法】2015年1月~8月に一般消費者,薬剤師,管理栄養士,助産師を対象(合計有効回答数:1,502名)に,健康食品に対するイメージ,知識・認識等に関する無記名自記式質問紙調査を実施し,集団間の違いについて包括検定および対比較(χ2 検定,steel-dwass法)により検討した。本調査における健康食品とは,「健康の維持向上を目的としたすべての食品」と定義した。【結果】健康食品の知識は,一般消費者よりも医療従事者の正答率が高い傾向を示し,一般消費者と管理栄養士との間では有意な差が認められた。一般消費者と比較して医療従事者のポジティブイメージは有意に低い項目が多く,ネガティブイメージは有意に高い項目が多かった。どの集団でも,健康食品の認可機関としては「国」を希望する者が最も多く,機能性表示としてふさわしい段階は「健康増進に効果があること」,「病気のリスクを低減すること」の順となった。安全性に関するニーズは助産師が高い傾向を示した。【結論】一般消費者と医療従事者及び,医療従事者間にも健康食品に対するイメージ,知識・認識等には差が見られ,医療従事者であっても知識は十分ではなかった。表示の認可機関と機能性表示に対する期待の程度は,医療従事者の専門性により異なる傾向を示した。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.76.109