20代の女性に発症したMycobacterium kansasii症の2例

「I 緒言」 Mycobacterium kansasii(以下M.kansassi)は非結核性抗酸菌症(non-tuberculous mycobacteria;以下NTM)の原因菌の一種で, 我が国ではNTMの原因菌のうちMycobacterium avium complex(以下MAC)に次いで14.1%1)を占め, 化学療法が唯一有効なNTM症としても知られている. また他の肺NTM症に比べて肺の基礎疾患を伴うことが少なく無症状で経過し検診等で初めて発見されることが多い. また女性症例の頻度は少なく画像的に空洞形成型よりも気管支炎型が多いと指摘2)されている. しかし年々症例の蓄積が進...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 62; no. 1; pp. 51 - 57
Main Authors 出浦, 弦, 吾妻, 俊彦, 藤本, 圭作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 10.02.2014
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ISSN0037-3826
1884-6580
DOI10.11441/shinshumedj.62.51

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Summary:「I 緒言」 Mycobacterium kansasii(以下M.kansassi)は非結核性抗酸菌症(non-tuberculous mycobacteria;以下NTM)の原因菌の一種で, 我が国ではNTMの原因菌のうちMycobacterium avium complex(以下MAC)に次いで14.1%1)を占め, 化学療法が唯一有効なNTM症としても知られている. また他の肺NTM症に比べて肺の基礎疾患を伴うことが少なく無症状で経過し検診等で初めて発見されることが多い. また女性症例の頻度は少なく画像的に空洞形成型よりも気管支炎型が多いと指摘2)されている. しかし年々症例の蓄積が進むにつれ, 空洞形成を伴う若年女性症例も報告3)されるようになってきた. 今回我々は空洞病変を伴う20代女性のM.kansasii症例を2例経験したので文献的な考察を加えて報告する. 「II 症例」 症例1:職場の定期健診にて胸部レントゲンの異常を指定され受診した22歳の金融機関に勤務する事務職の女性.
ISSN:0037-3826
1884-6580
DOI:10.11441/shinshumedj.62.51