長野県内の病院におけるAED普及状況
【I はじめに】致死性不整脈の一つである心室細動(Ventricular fibrillation;VF)は, 心肺停止患者の発症早期に検出されることの多い心電図波形で, 除細動で蘇生出来る可能性が高い1). VFの予後は, 発症から除細動までの時間に依存し, 早急な対応が要求される2)3). 従来, 除細動は医療行為とみなされ, 医師が直流除細動器(direct current defibrillator;DC)を用いて処置し, 医師以外の除細動行為は医師法17条に抵触するため禁止されていた. 自動体外式除細動器(automated external defibrillator;AED)は除...
Saved in:
Published in | 信州医学雑誌 Vol. 54; no. 6; pp. 379 - 386 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
信州医学会
2006
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-3826 1884-6580 |
DOI | 10.11441/shinshumedj.54.379 |
Cover
Summary: | 【I はじめに】致死性不整脈の一つである心室細動(Ventricular fibrillation;VF)は, 心肺停止患者の発症早期に検出されることの多い心電図波形で, 除細動で蘇生出来る可能性が高い1). VFの予後は, 発症から除細動までの時間に依存し, 早急な対応が要求される2)3). 従来, 除細動は医療行為とみなされ, 医師が直流除細動器(direct current defibrillator;DC)を用いて処置し, 医師以外の除細動行為は医師法17条に抵触するため禁止されていた. 自動体外式除細動器(automated external defibrillator;AED)は除細動器の一種で, 音声ガイドに従い除細動を行う簡便な機器である4). 2004年7月1日に厚生労働省医政局長から各都道府県知事あてに, 「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用について」の通達が出され, 通常一般市民は反復継続性が認められず, 同条違反にならないと示され, AEDは非医療従事者でも使用可能となった5). 現在, 全国の医療施設や公共施設で設置が進んでいる. 一方で, 医療従事者であっても, 事前に学習と訓練を施行していなければ, 心肺停止者を目撃した際, 適切な蘇生とAED操作を行うことは難しい6). |
---|---|
ISSN: | 0037-3826 1884-6580 |
DOI: | 10.11441/shinshumedj.54.379 |