多発血管狭窄や椎骨動脈瘤等の多彩な血管病変を呈したneuropsychiatric systemic lupus erythematosusの1例
症例は42歳女性,約20年前に全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus,以下SLEと略記)と診断された.ステロイド誘発性精神障害のためステロイド漸減中に錯乱状態を主とする神経精神SLE(neuropsychiatric SLE,以下NPSLEと略記)を発症し,MRIでは右側頭葉皮質を中心に急性期梗塞像,複数の脳主幹動脈で亜急性に変動する狭窄と拡張,右椎骨動脈瘤形成を認めた.シクロホスファミド静注療法等を早期から導入し動脈瘤は拡大なく血管狭窄は改善した.NPSLEにおける血管攣縮と拡張,動脈瘤形成は稀であるが,疾患活動性の指標となり,強固な免疫治療を検討す...
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Published in | 臨床神経学 p. cn-001797 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2023
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Subjects | |
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ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001797 |
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Summary: | 症例は42歳女性,約20年前に全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus,以下SLEと略記)と診断された.ステロイド誘発性精神障害のためステロイド漸減中に錯乱状態を主とする神経精神SLE(neuropsychiatric SLE,以下NPSLEと略記)を発症し,MRIでは右側頭葉皮質を中心に急性期梗塞像,複数の脳主幹動脈で亜急性に変動する狭窄と拡張,右椎骨動脈瘤形成を認めた.シクロホスファミド静注療法等を早期から導入し動脈瘤は拡大なく血管狭窄は改善した.NPSLEにおける血管攣縮と拡張,動脈瘤形成は稀であるが,疾患活動性の指標となり,強固な免疫治療を検討する必要性があると考え報告した. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001797 |