顎関節脱臼症例の臨床的検討
【背景・目的】 顎関節脱臼は, 食事, 欠伸, 歯科治療, 全身麻酔における経口挿管操作などによる過度の開口, 打撲などの外力など, 種々な原因で生じる. 発症は突然であるため, 患者の心理的動揺は大きいと考えられ, 速やかに適切に対処する必要がある. 今回我々は, 顎関節脱臼症例の治療の実態を知るために, 当科に来院した顎関節脱臼症例の臨床統計的検討を行ったので, その概要を報告する. 【対象と方法】 1993年1月から2007年6月までの14年5ヶ月間に当科を受診し, 顎関節脱臼と診断された137名191関節を対象とし, 臨床的資料を調査, 分析した. 【結 果】 性別 ; 男性54名,...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 58; no. 3; pp. 287 - 295 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.08.2008
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Subjects | |
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ISSN | 1343-2826 1881-1191 |
DOI | 10.2974/kmj.58.287 |
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Summary: | 【背景・目的】 顎関節脱臼は, 食事, 欠伸, 歯科治療, 全身麻酔における経口挿管操作などによる過度の開口, 打撲などの外力など, 種々な原因で生じる. 発症は突然であるため, 患者の心理的動揺は大きいと考えられ, 速やかに適切に対処する必要がある. 今回我々は, 顎関節脱臼症例の治療の実態を知るために, 当科に来院した顎関節脱臼症例の臨床統計的検討を行ったので, その概要を報告する. 【対象と方法】 1993年1月から2007年6月までの14年5ヶ月間に当科を受診し, 顎関節脱臼と診断された137名191関節を対象とし, 臨床的資料を調査, 分析した. 【結 果】 性別 ; 男性54名, 女性83名. 年齢別 ; 3歳~99歳 (平均年齢47.2歳). 病態別 ; 急性26例, 習慣性98例 (男性35例, 女性63例), 陳旧性13例. 脱臼原因 ; 歯科治療時, 欠伸時の発症が多かった. 【結 語】 治療法は病態毎に異なるが, 非観血的あるいは, 観血的整復術を施行し, 良好な結果を得ている. |
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ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.58.287 |