異時性に肛門転移をきたしたS状結腸癌の1例

症例は68歳, 女性. 平成21年2月, S状結腸癌の診断でS状結腸切除術 (D3) を施行した. 病理診断はmoderately differentiated tubular adenocarcinoma, ss, ly1, v1, n1, stageIIIaであった. 術後半年間capecitabineによる補助化学療法を行った. 同年12月 (術後10ヶ月), 肛門部違和感を訴え外来受診. 肛門部3時方向に突出した2 cm大の腫瘤を認めた. 生検を施行したところ, 上皮下に中分化型腺癌がみられ転移が疑われた. informed concentを行い局所切除術を施行し, 病理学的には原発巣...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 62; no. 2; pp. 147 - 151
Main Authors 岩崎, 茂, 堤, 裕史, 倉林, 誠, 竹吉, 泉, 塚越, 浩志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2012
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.62.147

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Summary:症例は68歳, 女性. 平成21年2月, S状結腸癌の診断でS状結腸切除術 (D3) を施行した. 病理診断はmoderately differentiated tubular adenocarcinoma, ss, ly1, v1, n1, stageIIIaであった. 術後半年間capecitabineによる補助化学療法を行った. 同年12月 (術後10ヶ月), 肛門部違和感を訴え外来受診. 肛門部3時方向に突出した2 cm大の腫瘤を認めた. 生検を施行したところ, 上皮下に中分化型腺癌がみられ転移が疑われた. informed concentを行い局所切除術を施行し, 病理学的には原発巣と類似する中分化型腺癌で転移と判断された. 同時期に肝転移, 鼠径リンパ節転移を認めたため, 化学療法を開始し現在も継続中である. S状結腸癌術後に極めて稀な異時性肛門転移を認めた1例を経験した. 転移機序として, 脈管を介した転移の可能性が推察された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.62.147