頭頸部領域以外の癌化学放射線療法で発症する口腔内症状の実態と看護

【目 的】 化学放射線療法を受けた患者に対する口腔ケアの内容や介入方法を検討するため, 口腔内症状の実態を明らかにする. 【対象と方法】 化学放射線療法を受けた患者79例を対象に, 疾患名, 治療内容, 口腔内症状, 経過, ケア内容などについて診療録からデータを収集した. 【結 果】 79例中7例 (9%) で口腔内症状を認めた. 7例中5例が口腔粘膜炎であり, 疾患別にみると, 子宮頸癌・直腸癌と比較して食道癌と肺癌の患者で発症割合が高かった. 放射線治療はいずれも総線量60Gy/30fr. 以上であり, 口腔粘膜炎をきたした5例には化学療法剤として代謝拮抗薬を使用していた. ケア内容はス...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 60; no. 4; pp. 339 - 344
Main Authors 関, 美幸, 北田, 陽子, 石川, 仁, 谷山, 奈保子, 白井, 玲子, 井上, エリ子, 武者, 篤, 河村, 英将, 高橋, 健夫, 中野, 隆史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.11.2010
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Summary:【目 的】 化学放射線療法を受けた患者に対する口腔ケアの内容や介入方法を検討するため, 口腔内症状の実態を明らかにする. 【対象と方法】 化学放射線療法を受けた患者79例を対象に, 疾患名, 治療内容, 口腔内症状, 経過, ケア内容などについて診療録からデータを収集した. 【結 果】 79例中7例 (9%) で口腔内症状を認めた. 7例中5例が口腔粘膜炎であり, 疾患別にみると, 子宮頸癌・直腸癌と比較して食道癌と肺癌の患者で発症割合が高かった. 放射線治療はいずれも総線量60Gy/30fr. 以上であり, 口腔粘膜炎をきたした5例には化学療法剤として代謝拮抗薬を使用していた. ケア内容はステロイド含有軟膏や含嗽液の対応でいずれも改善し, 2次感染などの口腔内合併症は認めなかった. 【結 語】 化学放射線療法の開始早期から口腔内の観察や口腔ケアを行うことは口腔粘膜炎を含む口腔内症状の発症予防に寄与する可能性が示唆された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.60.339