小児がん経験者の子どもを持つ父親と母親の語りからみる療養生活構築のプロセス

【背景・目的】 小児がん経験者の子どもを持つ両親の語りから夫婦および家族における療養生活構築のプロセスを理解し, 看護への示唆を得る. 【対象と方法】 発病から5年を経過した小児がん経験者Aちゃんの両親それぞれの語りを当事者の視点でストーリーを記述し, 出来事の意味を解釈した. 【結 果】 父親と母親は, 共通の目標を持って子どもの病気と向かい合い, 祖父母の多大な支援を受けて家族が親密性を高めながら療養生活を構築していた. 子どもの病気を乗り越えた父親, 母親は共通して自己成長を自覚し, 人生において子どもの病気が必要な出来事であったと肯定的に意味づけていた. 【結 語】 小児がん患者の家族...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 58; no. 1; pp. 35 - 41
Main Authors 田邉, 美佐子, 瀬山, 留加, 神田, 清子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.02.2008
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【背景・目的】 小児がん経験者の子どもを持つ両親の語りから夫婦および家族における療養生活構築のプロセスを理解し, 看護への示唆を得る. 【対象と方法】 発病から5年を経過した小児がん経験者Aちゃんの両親それぞれの語りを当事者の視点でストーリーを記述し, 出来事の意味を解釈した. 【結 果】 父親と母親は, 共通の目標を持って子どもの病気と向かい合い, 祖父母の多大な支援を受けて家族が親密性を高めながら療養生活を構築していた. 子どもの病気を乗り越えた父親, 母親は共通して自己成長を自覚し, 人生において子どもの病気が必要な出来事であったと肯定的に意味づけていた. 【結 語】 小児がん患者の家族が安定した療養生活を構築していくためには, 父親と母親が支えあう関係を維持できるような援助と, 効果的なソーシャルサポートが活用できるような援助が必要であることが示唆された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.58.35