心理療法が適応と判断された慢性めまい患者の臨床的特徴―耳鼻咽喉科診療所における検討
「緒言」持続性知覚性姿勢誘発めまい (Persistent Postural-Perceptual Dizziness : PPPD) 心因性めまい (Psychogenic Vertigo) などの慢性めまいに対する治療の一つとして心理療法の有効性が報告されている. 本邦では, めまい患者に対して心理療法を実施できる施設は限られており, 慢性めまい患者に対する心理療法の実態については十分に検討されておらず, 治療成績についての報告も多くない. 当院は耳鼻咽喉科診療所ではあるが, 心身医学的治療介入に力を入れている. その一環として2021年1月より臨床心理士を配置し, 慢性めまいの中でも器質...
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Published in | Equilibrium Research Vol. 82; no. 6; pp. 526 - 532 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
31.12.2023
日本めまい平衡医学会 |
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Summary: | 「緒言」持続性知覚性姿勢誘発めまい (Persistent Postural-Perceptual Dizziness : PPPD) 心因性めまい (Psychogenic Vertigo) などの慢性めまいに対する治療の一つとして心理療法の有効性が報告されている. 本邦では, めまい患者に対して心理療法を実施できる施設は限られており, 慢性めまい患者に対する心理療法の実態については十分に検討されておらず, 治療成績についての報告も多くない. 当院は耳鼻咽喉科診療所ではあるが, 心身医学的治療介入に力を入れている. その一環として2021年1月より臨床心理士を配置し, 慢性めまいの中でも器質的な状態と患者の主観的な訴えに乖離があり, 症状の発症や持続に心理社会的因子が関与していると医師が判断した患者に対して1回50分の個人心理療法を実施している. 本研究の目的は, 耳鼻咽喉科診療所である当院において心理療法が適応だと判断された患者について整理を行うことで治療成績を明らかにするとともに, 心理療法が適応だと判断された慢性めまい患者の臨床的特徴を把握することで適切な治療対象選択を検討することである. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.82.526 |