当科めまい外来における足踏み検査の検討

「緒言」 足踏み検査は, 閉眼状態で足踏みを100歩または50歩行った際の回転角度・移行角度・移行距離・動揺の有無を評価する動的平衡機能検査で, 1943年に福田により発表されて以来, 現在も体平衡機能評価の一環として広く行われている. アメリカや日本では「福田足踏み検査」, ヨーロッパでは「Unterberger足踏み検査」と呼ばれている. 一般的には足踏み検査の偏倚側は平衡機能の障害側を示唆するとされているが, 前庭障害の診断における有用性は限定的であるという報告が多い. 耳石器の機能との関連性については, 温度刺激検査における障害側との相関はなくcVEMPにおける障害側との相関が有意とす...

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Published inEquilibrium Research Vol. 81; no. 3; pp. 136 - 141
Main Authors 朝倉, 信之介, 鴨頭, 輝, 石本, 晋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 30.06.2022
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.81.136

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Summary:「緒言」 足踏み検査は, 閉眼状態で足踏みを100歩または50歩行った際の回転角度・移行角度・移行距離・動揺の有無を評価する動的平衡機能検査で, 1943年に福田により発表されて以来, 現在も体平衡機能評価の一環として広く行われている. アメリカや日本では「福田足踏み検査」, ヨーロッパでは「Unterberger足踏み検査」と呼ばれている. 一般的には足踏み検査の偏倚側は平衡機能の障害側を示唆するとされているが, 前庭障害の診断における有用性は限定的であるという報告が多い. 耳石器の機能との関連性については, 温度刺激検査における障害側との相関はなくcVEMPにおける障害側との相関が有意とする研究もあるが, 報告数は少ない. その他, 前庭障害の診断への有用性は乏しいものの, BPPVにおける予後を予測する要素になるという報告がある. 今回我々は, 平衡機能検査における前庭機能障害側診断への足踏み検査の有用性を検討するため, 足踏み検査の偏倚側と温度刺激検査・VEMPにおける異常側との相関を解析した.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.81.136